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2006年11月09日

アラン・カルデックの「霊との対話」

つい先日、『天国と地獄―アラン・カルデックの「霊との対話』という本を読んだ。

天国と地獄―アラン・カルデックの「霊との対話」: 本: アラン カルデック,Allan Kardec,浅岡 夢二

アラン・カルデックといえば、『アラン・カルデックの「霊の書」』というのがある。
これは、『シルバーバーチの霊訓』、『モーゼスの霊訓』と並んでて『世界3代霊訓』と呼ばれている。

以前に『霊の書』を呼んだことがあり、大変すばらしいと感じたので、この『天国と地獄』も読んでみたいと思っていたところ、ナイーブネットに登録されているのを発見!!早速ダウンロードして読んでみた。
やはり期待通りのすばらしい内容であった。

特に、私がこれまでスピリチュアリズムを学んできて、どうしても答えが見つからなかった疑問に対して触れられていたのでそれについて書いてみたいと思う。

その疑問というのはこうである。

「霊界通信によると、我々の病気や苦しみは、この世に生まれるまえに前世で侵してしまった過ちを償うために苦しみが生じている可能性があるという。
もしくは何らかの目的を果たすために、あえてその苦しみを自ら選択して生まれてくるのだという。
しかし、前世の記憶がなく、なぜ苦しまなければならないのか理由もわからないのに、果たして苦しむ意味があるのだろうか?」

というものだ。

例えば自分は視覚障害者として生まれたが、これが例えば
「前世で殺人を犯したためにそうなったのだ」
といわれても、納得がいかないということである。

もし仮にそれが事実だとして、それじゃぁなぜそのときの記憶がすべて失われた状態で生まれてくるのか。理由がわからなかったら目的が果たせないではないかと思うのである。

この疑問に対して、『天国と地獄』を読んで、私は次のように解釈した。

例えば、あなたに親しい友人がいるとする。その友人はあなたととても気が合い、心が優しく、あなたにとってはかけがえのない友人である。
その友人が、ある時突然癌にかかってしまい苦しむことになったとしよう。
そしてその苦しみは、実は前世において多くの人を殺害したために起こっているとする。

もしその事実がわかっていたとしたら、あなたはどう思うだろうか?しかもその友人は、前世であなたの大切な家族をも殺していたとしたら…

「ざまーみろ。殺人などするから癌になどなるんだ。癌になって当然だ。いい気味だ。」
と思わないだろうか。

いや、それどころかその人が最初から前世であなたの大切な人を殺している事実がわかっていたら友達として付き合うことすらしなかったのではないだろうか。

たとえその人が生まれ変わる前に前世での過ちを悔い改めようとして、今回の人生では心が優しい人間として生まれてきているのだとしても、きっと前世のことが引っかかって、その友人と親しくし、苦しみに同情したりなどできないはずだ。

さらに、前世で殺人者だったものは、たとえ現世でどんなに誠実でいい人だったとしても社会から受け入れられないはずである。
ある芸能人が子供の頃に犯した罪でマスコミからたたかれたりする現状を見ればそれは明らかである。
前世などわかったら、それが履歴書に載り、社会生活に影響を及ぼすかも知れない。

テレビでスピリチュアル・カウンセラーとかいう霊能者が芸能人の前世を見たりしているが、あれは当たってるか外れてるかわからないから余興として笑ってすまされるのであって、間違いのない事実だとしたらその人の人生そのものにまで影響を及ぼしかねない。

今の人生でいい人だということは、少なくとも生まれ変わるまえに前世での過ちを悔い改め、今度の人生では1からやり直そうと決心したということではないのだろうか。せっかくそうやって心を入れ替えて決心したというのに、生まれ変わってまで他人から前世の過ちを責められ、社会から受け入れられなかったとしたら…はっきりいって病気や障害以上に苦しい人生になってしまうはずである。

そうならないために、我々には自分や他人の前世がわからないようになっているのではないのだろうか。むしろこれはありがたいことと考えられる。

カルデックの次の言葉が印象に残っている。

「我々がどんな人間であったかを知る必要はない。我々がどんな人間であるかを知れば十分なのである。」

前世を知りたい人というのは、たいてい立派な前世であったことを期待するものである。自分や家族や友人が前世で殺人者だったなどとは思いたくないだろう。

しかし、事実はそうではないかも知れない。我々は未熟だからこの世に生まれてきているのであって、みんな多かれ少なかれ間違いを犯すものだ。その間違いの中には忘れてしまいたいほど恥ずかしいものも含まれているだろう。

しかし、そんな過去のことを悔やんでも仕方ない。前世がどのような人間であったとしても、現在生きている現世でどのような人間であるか、そして今の状況でこれからどのような生き方をするかの方が重要なのではないだろうか。
だから前世など知る必要はないので、わからなくなっているのではないだろうか。

ついでにいうと、霊能者といえども地上の人間には前世などわからない。だからテレビで言っているのはほとんどでたらめだと思ってほぼ間違いない。
ただし、ある特殊なケースの場合にのみそれが示される場合もあるらしいが、それは本当にまれなことだ。少なくともテレビなどで軽々しく公表するようなものでないことだけは間違いない。

最近こういったテレビ番組の影響で、自分の前世や守護霊を知りたいという人が増えているようだが、はっきりいってそんなもの知ったところでどうなるもんでもない。
現在の置かれている状況が、前世も含めてこれまで自分が作り出したものであること、そしてあなたにも守護霊がいて、それは地上の家族や友人よりあなたの身近な存在でありあなたを見守ってくれていることを知るだけで十分ではないのだろうか。
前世や守護霊が誰であるかは問題ではないと思う。

「前世がわからなくていい理由はわかったけど、でも目的が果たせないね」

ここが実は疑問なんだけど、もし今なにか問題を抱えているとしたら、その問題を克服することで自然と目的が達成されるようになっているのではないだろうか。

例えば病気や障害が前世の過ちによって生じているのか、それともなにか他の目的があって生じているのか、はっきりとした理由はわからない。
けれどもその障害を克服することによって、もし前世の過ちによるものだとすればそれが償われ、逆に何かの目的を果たすためだとすればその目的が達成される。

「我々に起こることは全て何らかの理由があって起きているのであって、偶然そうなるということは一つもない。」

これがスピリチュアリズムにおける考え方だ。

だから理由はわからなくても、今の人生を精一杯生きることで自然と目的が達成されるようになっているのではないだろうか。


このように、自分で考え納得のいったものだけを受け入れるというのが「スピリチュアリズム」である。
だからあなたがこれを読んで
「ばかばかしい。前世や死後の世界などあるはずがない!!」
と思うのであれば、別にそれでもいい。

私は数々の心霊書、それに対する反論等も含めていろいろな書物を読んだ上で
「もしかしたら死後の世界があるというのは真実ではないだろうか」
と思えるようになったのであって、決して適当な希望や願望、興味本位だけで信じているわけではないことを明記しておく。

なんか、カルデックの本とずいぶん話題が離れてしまたが、以上のことがこの本を読んで感じたことである。

この本にはいろんな霊の話が載っていた。
地上でインドの女王だった人が死んだあとも自分が女王だと思い続けていて
「誰か、誰かおらぬか?速く奴隷を連れてきなさい!身の回りの世話をするものがいないですないか。」
とか
「無礼者!下がりなさい!それが女王に対する口の利き方ですか!!」
などといって威張り散らしているのは笑えた。我々はあの世にいっても現在とほとんど変わらない個性を持ち続けていることがよくわかる例だ。

また、とても魂のレベルが高く思いやりのある子供なのに、大変思い病気にかかっている子供の話があった。
世の中にはときとしてこんなことがあるのではないだろうか。
こういう話を聞くと「世の中って理不尽だな」と思うものであるが、この子の霊が死後に霊界通信で送ってくれたメッセージなどはとても感動的だった。

あなたにも是非一読されることをおすすめした。

死後に起きることを知ることは、何のために生きているかを知ることである。自分は何者で何のために生きているのかを知って人生を歩む。これがスピリチュアリズムの本来の目的だ。

「いい人と結婚したい」とか、「お金がたくさん欲しい」などと、この世の幸せを手に入れる目的で、スピリチュアル(スピリチュアリズム)を占いと勘違いしている人が意外に多いようだが、そんな自己中心的な願いをかなえる目的で利用するものではないことを知っていただきたい。

まぁ、私も最初そういう目的でこの世界に足を踏み入れたので人のことはいえないが…
やはり何の不自由もない幸せな人生を送りたいと思いますからね。

以下、本の紹介より引用。

「霊との対話」に基づいたスピリチュアリズムの古典。導入的な理論編、天国霊、地獄霊による霊界通信記録を収録した実践編、死後の世界に関する理論編の3部構成。日本の読者向けに整理・編集して初訳。

著者紹介
〈アラン・カルデック〉1804~69年。フランス生まれ。本名はイポリット=レオン・ドゥニザール・リヴァーユ。医学博士、教育学者。霊実在主義を広めるために幅広く活動した。著書に「霊の書」など。

投稿者 Dream : 2006年11月09日 20:23

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