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保育士採用試験:全盲女性を門前払い 大阪市 - 毎日jp(毎日新聞)
このニュースに関連して、時事問題を中心にブログを書いているという方からメールをもらった。
視覚障害者と晴眼者 全盲受験者と受験受付拒否の大阪市 ≪ 言葉のリサイクル
ここに書かれているが、なんでも点字受験について調べていたところ、私が昔書いた「MIDI検定試験点字受験体験記」を見つけられてメールしたとのことだった。
いやー、なつかしい!!
あれはもう10年近く前の話になるけど、MIDI検定試験というものを受験したことがあるのだ。
「MIDI検定試験?なにそれ?」
っていう人も多いと思うので簡単に説明すると。
「MIDI」というのは、電子楽器同士で演奏情報をやり取りするための世界共通企画のこと。
シンセサイザーや電子ピアノなどにMIDI端子っていう接続端子が付いているものがあるけど、あれね。
演奏情報をコンピュータに記録して自動演奏させたりするのに用いられる。
コンピュータミュージックとか、DTMなどと呼ばれている音楽を製作するときに使われることが多い。
それで、このMIDI企画の制定や管理を行っている団体があって、日本では「日本音楽電子事業協会(AMEI)」というところが行っている。
このAMEIが、MIDIを理解し、活用できる人材を育成することを目的に実施しているのが「MIDI検定試験」という認定試験だ。
これ、確か1999年頃から実施されていて、私は第2回の2000年1月23日に行われた試験に受験した。
なにを思ったのか、それまで点字受験が認められていなかった試験に挑もうなどと無謀なことを考えついたわけだ。
点字受験を認めてくれるように事務局に交渉したり、問題の点訳を引き受けてくれるところを探したりと、それなりに苦労したが、いい経験にもなった。
詳しいことは体験記に書いてある。
MIDI検定試験、私以外に点字受験した人っているのだろうか?
少なくとも聞いたことがない。
そういえば、あのとき問題の楽譜を点訳するのに活躍してくれた、カモン・ミュージックの点字楽譜作成システム。
結局発売されることなく終わってしまった。
何だか私のMIDI検定試験の問題を点訳するために開発されたような格好になってしまったなぁ。
あのシステムを実践で活用したのは、あれが最初で最後だと聞いている。
カモン・ミュージックの点字楽譜作成システムは、当時同社が開発・販売していた日本を代表する作曲ソフトである「レコンポーザ98」をベースに、点字楽譜作成機能を付加したものだった。
レコンポーザは元々視覚障害者向けに開発されたソフトではなかったが、たいていの音楽ソフトが楽譜をグラフィック表示し、マウスで貼り付けていくものが多い中、レコンポーザは楽譜を数値で表し、キーボードのみで操作可能だったということもあって、視覚障害者でもそこそこ使うことができた。
当時晴眼者のプロのミュージシャンの間でも使われることが多いシーケンスソフトの代表だった。
これに、点字楽譜作成機能を付加しようという話があって、同社が開発を進めていたのが、点字楽譜作成システムだった。
しかし、いくらDOS版のレコンポーザが音声と相性がよかったからといっても、やはりDOSの時代が終わろうとしているときにDOSを選んだのは失敗だったと思う。
レコンポーザはWindows版も発売されたが、あれも結局開発がストップし、現在では開発が行われていない。
だから、どちらにしてもなくなる運命だったのかもしれないけど。
それにしても、せっかくの点字楽譜作成システムが、私のMIDI検定試験の楽譜点訳だけにしか活用されなかったなんて…
しかも、たったの数小節*3問程度の楽譜。
当時の問題は、まだ手元に残っている。
あのシステムで点訳された楽譜とともに…
投稿者 Dream : 2009年07月08日 22:44
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