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今回は、JAWS for Windows(以下JAWSと略記)の目玉の一つである「JAWSカーソル」についてお話しします。JAWSを使われる場合は、是非JAWSのカーソルの概念を知っておいていただきたいです。
JAWSには
という異なるカーソルがあります。このうち、仮装カーソルはスクリプトを書くときに使用するもので、点字カーソルは点字ディスプレイを使うときに使用するものです。詳細はここでは省略します。
PCカーソルというのは、実際にWindowsをキーボードで使用しているときにフォーカスが当たっているものです。例えばメモ帳で文章を書いているときは現在編集中のカーソルがある位置ですし、スタートメニューを移動しているときは音声で読んでいる項目の位置です。国産のスクリーンリーダーはPCカーソルしかないといってもいいと思います。だからキーボードで移動できない画面の領域を読むことはできません。
それに対して「JAWSカーソル」というのがあります。JAWSカーソルは画面のどこにでも自由に移動することのできる仮想的なカーソルです。
例えばメモ帳で文章を書いているとき、画面には文章だけじゃなくて上の方にタイトルバーやメニューバーが表示されていますね。さらにスクロールバーもありますし、エディタによっては画面の下に現在のカーソルの位置が表示されている場合もあります。Altキーを押せばメニューバーにフォーカスが移動して音声も聞けるわけですけど、画面ではAltキーを押さなくても「ファイル(F)」、「編集(E)」とか出ているわけですよね。
JAWSカーソルを使うと、そのメニューバーのところにカーソルを持っていって読むことができるのです。さらにJAWSカーソルはマウスカーソルと連動しているので、例えば「ファイル(F)」と読むところでマウスの左クリックの操作をしてやることでファイルメニューを開くことができるのです。つまり晴眼者が画面を見ながらマウス操作している動作をそのままエミュレートできてしまうんです!!
もちろんメモ帳でメニューバーを使うときは普通にAltキーを使ってメニューバーにフォーカスを移動して使った方が使いやすいわけなんですが、例えばどうしてもキーボード操作できないソフトってありますよね。どうしてもマウスクリックじゃないと動いてくれないような。こういうソフトもJAWSカーソルを使ってマウスクリックの操作をしてやることで、なんとか使えたりするんです。
これが国産のスクリーンリーダーでは不可能なJAWSの魅力だと思います。よく「国産のスクリーンリーダーもJAWSも大して変わらない」とかいう人がいるのですが、こういう人はJAWSのカーソルの概念をきちんと理解していなくて、国産のスクリーンリーダーと同じように普通にWindowsに割り当てられたショートカットキーだけで操作している場合が多いです。
ナビゲーションカーソルは、HTMLやPDFファイルを閲覧するときに用います。具体的には、JAWSを起動した状態でIEやアクロバットリーダーを起動してそれをアクティブにすると、JAWSは「ナビゲーションカーソルモード」という専用のモードになります。このナビゲーションカーソルモードはメモ帳やワープロソフトのエディットボックスのような感じで、上下矢印キーで行を移動して読んだり、左右の矢印キーで1文字ずつ移動して読んだりすることができます。
XPリーダーでも上下移動はできますが左右に移動したり特定の文字を詳細読みさせたりできませんよね。PC Talkerの場合はCtrl+矢印キーでIEの画面を読んでいくことができますし、左右の矢印キーで特定の文字を詳細読みすることもできたと思います。しかし、ページ中の特定の文字を選択してクリップボードに貼り付けたりできません。
この点JAWSのナビゲーションカーソルモードはメモ帳などのエディットボックスとほとんど変わらないので、詳細読みもできますし、Shiftキーと矢印キーで文字を選択して、Ctrl+Cでクリップボードにコピーしたりもできます。ただしメモ帳のように文字を書き換えることはできません。読み取り専用のエディットボックスのようなものだと思ってもらえれば分かりやすいと思います。
ちなみに、JAWSのカーソルのキー操作には以下のようなものがあります。(かっこ内はノートブックタイプのキー操作)
投稿者 Dream : 2005年08月16日 09:17
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