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2006年10月12日

楽譜自動点訳システム

[ Category : 音楽 ]

今回は、まだ実用的に利用できるものではありませんが、IT技術が広げる可能性ということで、「楽譜自動点訳システム」というものをご紹介してみたいと思います。

今、私は「楽譜自動点訳システム」というものを試してみているところです。
このシステムは、横浜国立大学環境情報研究院(後藤研究室、田村研究室)と東京理科大学経営工学科のグループが共同で開発を進めているもので、「MusicXML」という形式の楽譜データを自動的に点字楽譜に翻訳するシステムです。

ちなみに「MusicXML」というのは、コンピュータで楽譜情報を扱うためのデータ形式の一つです。楽譜作成ソフトの中には、このMusicXMLという形式でデータを書き出すことのできるものがあり、それで書き出したデータをこの点訳システムにかけると、自動的に点字楽譜のデータに翻訳されて出力されるという仕組みです。

点訳された楽譜データはBASE形式の点字データになっていますので、Win-BESや点字編集システムなど、BASE形式の点字データが読み込めるソフトで閲覧したり点字印刷することが可能です。

またブラウザーの画面にもNABCC(北米点字コード)で出力されるので、点字フォントをインストールしてあれば画面で見ることもできます。
また、ブラウザーの画面に表示されたNABCCコードを直接点字ディスプレイに出力できるスクリーンリーダー(例:JAWS、WinVoice)を用いれば、そのまま点字ディスプレイで読むこともできます。

詳しいことは下記のページに説明があります。

横浜国立大学 楽譜点訳システム

現在開発途中のシステムなのですが、上記のページでシステムが無料公開されていて、実際に使ってみることができるようになっています。

というわけで、使ってみました!!
試しに「エリーゼのために」のピアノ譜をこのシステムを使って自動点訳してみました。データを下記に置きましたので、点字データの閲覧環境のある方や興味のある方はご覧ください。

エリーゼのために(音程法)
エリーゼのために(音符法)

ちなみにこのデータは、河合楽器製作所から発売されている「スコアメーカー」というソフトを用いてMusicXML形式でエクスポートし、それをこの点訳システムで点訳したものです。
スコアメーカーには「ピアノ名曲100選」というデータが付属していたので、これをスコアメーカーに読み込ませてMusicXML形式で出力しました。

KAWAI 楽譜認識&作成ソフトウェア スコアメーカー  製品紹介

この点訳システムですが、開発途中ということもあってまだまだ対応していない記号も多いですし、複雑な楽譜を点訳すると変な点訳をしたりします。
ですが、人の手を介さずに点字楽譜が得られるようになるという意味で非常に画期的なシステムではないかと思います。

スコアメーカーには楽譜OCR機能といって、紙に書かれた楽譜をスキャナで読み取って、それを認識する機能があります。これを利用すれば紙に書かれた五線譜を点訳するなんてことも可能になるかもしれません。

とはいっても、実際にはスコアメーカー自体視覚障害者用に作られたものではないので音声で使うのはかなり厳しいですし、OCRの認識精度や楽譜点訳システムの点訳制度などでどこまで正確な点字楽譜が得られるのか課題も多いのも事実です。

ちょっと古いレポートになりますが、このサイトにスコアメーカーを用いて楽譜を認識する手順を書いています。

スコアメーカー Ver2.1 体験版使用レポート

現在スコアメーカーのバージョンはVer5になってます。先日最新盤で楽譜認識の手順を試しましたが、使いやすさという点では差ほど変わりませんでした。

もし実際にこの点訳システムを試してみたいとか、点訳された楽譜を読んでみたいなどありましたら、Dreamまでご連絡ください。少しはお手伝いできると思います。

今回は、IT技術の可能性ということで、現在研究・開発中の「楽譜自動点訳システム」について書いてみました。

投稿者 Dream : 2006年10月12日 23:34

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