Dreamのお好み情報箱

まず、音です。最初この音聴いたとき、いったいなにが始まったかと思いました。
まるで電気のこぎりで気を削る音を遠くで聞いているような、
「ウィーーーーン、ジリジリジリジリ、ウィウィウィウィ、ジリジリジリジリ」
っていう凄まじい音がするんです！！
ちなみに「ジリジリジリジリ」っていうのがピンが上がってくる音です。

ピンはいっぺんに上がるんでなくて、各ピンが少しずつ少しずつ現れてきて、この音が止まるときに「カタッ」っていうような音がして、音が止まると全てのピンが出たことになるわけです。
全てのピンが出るまでに20秒ぐらいかかりますね。（マニュアルによると１６秒かかるらしいです）

もうこれだけでも非常にすばらしいわけですが、さらにもっとすばらしいのが、表示されたピンを触っていると引っ込んでくるんです。
普通のピンディスプレイの場合、バネのように弾力性があって跳ね返ってきますけど、あれは完全につぶれてしまいます。
そっと触ってないとそのうちなにが書いてあるか判らなくなりますね。
試しにわざと手のひらで押しつぶしてみたら完全に引っ込んでしまいました！！

それから普通のピンディスプレイだと電気的にピンを引っ込ませるんですけど、あれは引っ込める機能がないみたいです。なんか持ち手みたいな形をしたものがモーターでピンの上をスライドしてつぶすみたいな感じで表示された図形を消しているんです。

もう、なんというすばらしい機械だ！！

それでここからが本題なんですが、図形を触った感じはなかなかいいですね。
曲線なんかも結構なめらかな感じでいいと思いました。
以前KGS社製の点図ディスプレイ「DV-1」の試作品を見たことがありますが、あれは曲線が段のようになっていて滑らかではありませんでした。
おそらくドット数の関係ですね。OUV3000の方がドット数が４倍ほど多いようです。

いくつかコンテンツが入っていたので触らせてもらいました。
例えば物語を絵にしたもので、「マッチ売りの少女」で、雪が降っている様子をてんてんで表現されていて、そこに女の子が立っているという様子が触って確認することができました。

あと都道府県の形で、北海道や新潟県の形、それから国旗でオーストラリアの国旗の形なんかを触らせてもらいました。

このようなコンテンツはWindows付属の「ペイント」を使って作成されているそうです。
またデジカメで撮影した写真でもパソコンに取り込んでコンテンツに変換すれば触ることができるようです。
基本的にパソコンで扱える画像データであれば表示できるとのことでした。

ただ見た感じわかりやすいのと触ってわかりやすいのとでは違うようで、触らせていただいたコンテンツは触ってわかりやすいように図を作る段階でいろいろと工夫が施されていました。コンテンツを作成するさいにはそういった工夫をすることも重要だそうです。

もちろん図形の理解度は人それぞれ違うので、縦横の線ならわかるけど斜めの線になるとわからないという人もいるそうです。
私もどちらかといえば触図は苦手な方で、地図とか読むのは苦手です。
図形を読むのが得意な人であれば、デジカメで撮影した画像など通常の画像でもそこそこ読み取れるかもしれません。

まだできあがったばかりの機械なのでまだまだ改良が必要ということです。
私が改良した方がいいと思ったところは、まず音が非常にうるさいことですね。
あれではまずオフィスでは使えません。

それから、触っているとピンが引っ込んでしまうこと。これが改良されないことには取り扱わないといっている販売店もあるそうです。

あと表示されるまでに時間がかかることですね。リアルタイムにいろいろな画像を見ていくという用途には使えません。

しかし、視覚障害者の図形へのアクセスを可能にしてくれるという意味で、この触覚ディスプレイには非常に注目しています。
価格が安くていいものが出れば欲しいのですが、OUV3000でも４２万円ほどしますし、KGS社製のものはもっと高いですからなかなか手が出ませんね。

とにかく非常におもしろい機械で楽しませてもらいました！！