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2006年07月20日

「とやまバスi」のアクセシビリティ

以前にも書いたことがありますが「とやまバスi」というサイトがあります。
このサイトはバスの時刻表や現在のバス位置を調べることができます。携帯電話にも対応しているのでラクラクホンのブックマークにいつも利用するバス停のアドレスを登録しておきすぐに時刻表やバス位置を確認できるようにしています。

ところが、先日全盲の友人から相談を受けて気がついたのですが、サイトが新しくなったようで携帯向けのサイトは問題ないのですがPC向けのサイトが音声で非常に使いにくいものになってしまいました。
実はこのサービスが開始された5年ぐらい前に音声で使いやすいものに改良していただいたことがあるのですが、最近また使いにくくなったようで非常に残念です。

ちなみに、下記に示す裏技を使えばPCで携帯向けのサイトを利用することができます。しかし通常の方法では閲覧することができないようになっている(と思う)のでこの方法は正当な方法ではありません。

さてその方法というのは、携帯向けのアドレスを割り出して直接アクセスしてしまうのです。割り出す方法はやや難しい話になってしまうので省略しますが、とりあえず下記がそのアドレスになります
http://www.bus1080.jp/scripts/mgrqispi.dll?APPNAME=BPY&PRGNAME=py_icomh

上記のアドレスにアクセスすると携帯向けのシンプルなページが表示されます。ここは非常にシンプルな作りになっているので音声でも非常に使いやすいです。

また、富山地方鉄道の電車・バス時刻表は富山地方鉄道のサイトでも見ることができます。

ですが、これは応急的処置です。やはりとやまバスiのサイトを何とかしてもらいたいものです。そこで運営事務局に以下のメールを送ってみました。


 初めまして。

 私は両目とも視力0の視覚障害者で、音声や点字を用いてPCを利用してい
るものです。毎日通勤でバスを利用しており、とやまバスiのサイトを大変
便利に利用させていたぢております。特に時刻表を読むことのできない我々
視覚障害者にとってこのサイトは非常に便利で役立つサイトです。

 さて、このサーボイスを開始された当初に一度視覚障害者にも利用しやす
いように改良をしていただいたことがあるのですが、残念なことに先日のサ
イトリニューアルにより非常に使いにくいものになってしまいました。

 特に、バスロケーション・時刻表・所要時間が書かれたページが大変読み
づらく感じます。

http://www.bus1080.jp/flash/index.html

 まず上記ページですが、リンクが全て画像になっており、その画像に代替
テキスト(ALT属性)が付けられていないために音声読み上げソフトではど
のリンクであるのか分かりません。

 さらに「busSearch」
http://www.bus1080.jp/flash/bussearch.html

 このページがフラッシュで製作されているために全く利用することができません。

 そもそもなぜこのバス検索にフラッシュなど利用する必要があるのでしょう
か。以前のHTMLを用いたページでは何か不都合があるのでしょうか。

 これはあくまで一般的なお話でそちらのサイトがそうというわけではありま
せんが、多くの場合画面を派手に見せたいという技術者の単なる自己満足であ
る場合があります。時刻表はバスの時刻が分かればいいのであってフラッシュ
やアニメーションを使う必要がどこにあるのか理解できません。障害者の使い
勝手(アクセシビリティ)を犠牲にしてまでフラッシュを利用しなければなら
ない正当な理由があるというなら是非その理由をお聞かせ願います。そして、
もし正当な理由がないのでしたら是非障害者にも使いやすいサイトに改良願い
ます。

 なお、障害者に配慮したサイト製作(アクセシブルウェブ製作)に役立つサ
イトをこちらに紹介しておりますので是非参考にしていただければ幸いです。

http://blog.sf-dream.com/archives/2005/01/web.html

 せっかくの便利なサービスですので是非誰もが利用しやすいサイトにして
いただけることを願います。

 それでは失礼いたします。


そしたらお返事がありました。


こちらはパレットとやま(国土交通省富山河川国道事務所)です。
『とやまバス-i』への貴重なご意見ありがとうございます。

『とやまバスi』は、2005年4月にエリア拡大、2006年4月にランドマーク検索機能追加

によりリニューアルしております。
2005年4月のエリア拡大に伴い、サーバーへの負荷軽減のためフラッシュで
制作しております。

その結果、音声読み上げソフトによるWEB利用が使いにくいものになって
しまったということは、当方の認識不足であり、申し訳なく思っております。

7月末を目標にフラッシュを使用していない『とやまバスi』携帯サイトへのリンクを

トップページと「busSearch」ページに追加することと画像代替テキスト(ALT属性)を

追加する対応をしていきたいと考えております。

当方も音声読み上げソフトについて認識不足であり、携帯サイトにリンクする対応
でも不都合が生じるかもしれません。

携帯サイトへのリンクと画像代替テキストの追加の対応が出来次第、再度連絡
いたしますので不都合が生じた場合、ご意見を頂ければ幸いです。

今後ともToyamaBus-iを宜しくお願いいたします。

                    パレットとやま 調査第二課


通常このような要望をしても何も返事が返ってこないか「前向きに検討させていただきます」などと本当に検討する気があるのかどうかも分からないような返事が返ってくるだけです。

しかし今回の対応は

  • なぜフラッシュを使用しなければならなかったのか理由が明確に述べられている
  • そして今後どのような対応を行うか具体的に示されている
  • さらに「改良したあと連絡するのでご意見をいただきたい」と前向きな姿勢が示されている

以上の点で非常に誠実で好感の持てる対応であると感じました。

ちなみにどうしてもフラッシュを使用しなければならない場合は、アクセシビリティに配慮した方法でフラッシュを制作する方法もあります。主要なスクリーンリーダーや音声ブラウザの最新版はフラッシュに対応していますのでこれでもいいのかもしれません。(個人的にはフラッシュはあまり好きではありませんけど)

参考:Macromedia - アクセシビリティ

とにかく改善していただけそうでよかったです。

結局裏技が正式な方法になるようですね(笑)。

投稿者 Dream : 2006年07月20日 22:12

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