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先天性の聴覚障害の娘さんを持つお母さんからメールをいただきました。この「スピリチュアリズム」のカテゴリの記事を読まれてメールをくださったそうです。
この方も縁あってシルバーバーチを読まれるようになり、シルバーバーチ読書会などにも参加されスピリチュアリズムを学ばれている方です。
以下に紹介するメールは、飛行機事故で奥様と息子さんをなくされたことがきっかけでシルバーバーチを知った方へあてたメールだそうです。皆様にも是非読んで考えていただきたいと思いここに紹介させていただくことにしました。
なお()中の参考文献は、皆さんが実際に本で確認していただけるようこの方に教えていただき掲載しました。参考にされてください。
聴力を持たずに生まれたわが子を持ったことは神に対し感謝すべきことと思います。彼女はすごい。私にまずご先祖様への感謝の気持ちを思い出させ、人の本当のあたたかさを教え、マザーテレサを通して、分かち合うことの必要性を教えました。そして今、3歳の娘は声ではなく魂で私に言います。
「私を通して家族を本当の幸せへと導いてほしい。そして私を娘に持ったことで、まず自分に、次に家族に、そして今住んでいる家のごく近所に、そして聴力を持たずに生まれた子供やその親に、その教育に携わる人に、行動を通して、自然の摂理をひろめてほしい。目立った行動をしようと思うのではなく、人に認められようと思うのではなく、どんな小さなことにも、それに愛を持ってやってほしい。私は母であるあなたを見てる、これからもずっとあなたを見てる。」娘にとって一番大事なのは、聴力を持たずに生まれたことによって味わう孤独感、寂しさ、ジレンマ、もどかしさ、疎外感、偏見と誤解に対するつらさをとおして、前世等でそのようなものを他の人に与えてきてしまったのではないか、とカルマの可能性を認識し、それを自覚して生活するように心がけ、又その体験を人に役立てるようにすることなのだと思います。まずは自分のことは自分でやれるよう精神的にも経済的にも身辺整理的なことでも自立できるようにし、その上で、もっと孤独感に襲われているような人々の力になれるよう尽くすことなのではと思います。それが、実は世界から実質的な、又精神的な戦争、飢餓をなくす自分に出来る最大の貢献なのだと自覚することなのではと思います。
今書いたことは、全て私にも当てはまることです。手話を勉強して、わが子に又は他の聴覚障害をもった方に手話で話すということは、自然にその人その人に分かりやすい表現方法で話す必要性を自覚させられます。そしてわが子や聴覚障害を持った方々の手話を理解するよう努めるということは、人の言いたいことを理解するための努力の重要性を自覚させられます。コミュニケーションがどれほど人にとって大事か痛感させられます。世間一般で言われる身体障害者を身内に持つことによって、世間から見たあらゆる少数派の方々の気持ちが分かるよう努めたいと思うようになります。そしてシルバーバーチを勉強することにつながったことで、自然の摂理をとおして、いつも戦争や飢餓で苦しんでいる人のことを忘れないように心がけたいと思うようになりました。それらは全て、私の前世で足りなかった部分であり、足りなかったがために人を傷つけてしまっていたのかもしれません。
シルバーバーチが、「よくご覧になれば大抵お分かりになると思いますが、身体上の欠陥をもって生まれた人は、魂の中に埋め合わせの原理を持ち合わせているものです。五体満足の人よりも他人への思いやり、寛容心、優しさをその性格の中に秘めています。因果律の働きから逃れられるものは何一つありません。その人は魂を磨くため自分でその体を選んで生まれてきているのです」など色々教えてくれています。ありがたいことです。
(参考文献:「シルバーバーチのスピリチュアルな生き方Q&A―崇高な存在との対話」 ハート出版)マザーテレサは、「だれにでも、沈黙し、黙想する時間が必要だ、神は静寂の友だ」と言います。
(参考文献:「マザー・テレサ語る」 早川書房)現代は音であふれすぎている、でも娘には静寂がいつもともにある、それは情報が入らないという欠点の裏に、静寂の中で神に祈る力があるということ、そして物を深く考える力があるということ、他の人の言うことを理解するように努めつつ、それでも悪い情報には振り回されず、自分の心の良心の声に耳を傾ける力があるのだと思います。
以下私からのお返事です。
メールありがとうございます。
娘さんが聴覚障害者だと分かったときにはずいぶんショックを受けられたことと思います。そして「なぜ自分の子供が…なにか自分たちに問題があったのだろうか?」と罪の意識にとらわれたりされたのではないでしょうか?私の母親も、私の目が見えないと分かったとき、赤ん坊の私を抱いて踏切に飛び込んで自殺しようと考えたことがあったといっていました。ですからお気持ちはよく分かります。
私は以前から「どうして自分は視覚障害者として生まれたんだろう?」という漠然として疑問を持っていました。「なぜ自分が障害者として生まれなければいけなかったのか?」と思うことや、「なぜ自分の子供が障害者なのか?」と疑問を持つことは決して悪いことだとは思いません。それは真理を求め始めた証拠だからです。その気持ちを抑えつけるようなことをしてはいけないと思います。私がもしその疑問を完全に捨て去っていたら、今頃霊的真理に出会っていなかったかもしれません。
福祉施設のお偉いさんや福祉に関わるものの中には、「障害を受け入れるべきだ」とか「障害は不幸ではない」などともっともらしいことをいう人がいますが、何の根拠もなくそのようなことを頭ごなしにいわれてそう簡単に障害を受け入れることなどできるでしょうか?本人やその家族は本当に苦しい思いをし悩んでいるのです。それを分かってあげないといけないと思うのです。
その上で大切なことは、霊的事実を知ることです。障害はその人や身内のものが地上人生を生きる上で魂を成長させるのに必要な体験であり、霊界ではその苦しみの何倍もの報いがあること。地上での苦しみはその後に続く霊界での何万年、何億年という永遠の人生に比べれば本の一時に過ぎない、しかし霊界での生活の大切な準備期間であることを知ることです。
そのような霊的事実を知らずしてどうして人々を慰めてあげられるでしょうか?本来ならこういった事実を知っていて当然なはずのお寺のお坊さんや教会の牧師までもが霊的事実をなにも知らないのです。
「自分たちの宗教を信じ、教義に従った行いをすれば、死後天国に行き、永遠の生命を手に入れられるのです。教義に従わないものは地獄に送られ、そこで罰が与えられ、永遠の苦しみを味わうのです。」
などと子供騙しのような間違ったことを人々に教え、宗教を自分たちの教壇の名声、金儲けの道具に利用しているのです。
「なぜ自分は障害を持って生まれなければいけなかったのか?」という私の疑問に対して、周りのものはだれも満足のいく回答を与えてはくれませんでした。みんな無知でした。そしてこれまでそれを追い求めてきたように思います。しかしひょんなことから、シルバーバーチなどを初めとする高級霊による霊界通信に出会い、霊的事実を知ることができました。
しかしあなたの場合は娘さんが幼い今の段階からシルバーバーチを読まれています。あなたなら、きっと娘さんを納得させられる答えを与えてあげられるものと確信します。そのような親を持つ娘さんは最高に幸せなことです。
いただいたメールを読んで、聴覚障害を持つ娘さんをもたれたことでそのようなお考えができるようになったこと、また戦争や飢餓の問題にまで目を向けられているところが大変すばらしいと思いました。自分が障害を持っていても、あるいは身内に障害者がいても、なかなかそのような考え方ができる人はいません。ほとんどの人は障害者問題をその場限りの対処療法的なやり方で解決しようと思い、障害を持ったことを無駄にしている人が多いものです。そんななか、シルバーバーチに出会うことで障害者の娘さんからなにかを学び取ろうとされているところが大変すばらしいと感じました。
スピリチュアリストの多くは生まれる前からスピリチュアリストとしての人生を歩むことを決心して生まれてくるそうです。(参考:スピリチュアリズム・ニューズレター27号)あなたがこうやってスピリチュアリズムに出会われ、そして霊的真理の価値を理解されたことは、これまで陰で霊界から導いてこられた守護霊も最高の喜びを感じておられると思います。そしてあなたを通して大勢の高級霊の導きがあるはずです。
現在娘さんは3歳ということで、地上人生が始まったばかりです。これからの人生、障害を持つために不便なことや、周りからの偏見や差別にあったり、苦しいことも多いかもしれません。もちろん楽しいこともあるでしょう。しかし霊的真理を理解されたあなた方であればどんなにつらく苦しいことでも乗り越えられないことはなに一つありません。霊的真理を持ってすればそのような地上の一時的な苦しみは必ず克服されるものと思います。
是非娘さんとともに最高に価値ある人生を歩まれることを心から願っております。
私のようなものがかなり生意気なことを書きました。しかし上記のことは私の意見というより、これまでシルバーバーチなどを読んで自分自身が教えられたことです。ですから自分自身にも言い聞かせています。私もいつか「障害は不幸ではなかった。これでよかったんだ。自分の魂を成長させるために必要な体験だったんだ。」と言える日がくることを目指して生きていきたいと思います。
あなたのメールを読んで「なぜ自分は障害者に生まれてきたのか?」という疑問に対する答えが見えてきたように感じました。大変感謝しています。ありがとうございます。
障害者やそれに関わるものには、あなたがおっしゃるように人の痛みを理解し、少数派の意見を大事にし、そして地球上から戦争や飢餓をなくすよう人々に訴えていく役割があるのかもしれません。ところが昨今の障害者団体の運動を見ていますと、自分たちだけはいい思いをしたい、楽な生活がしたい、自分や自分たちの団体の名声を築きたいと自分たちの権利ばかり主張しているのが現状です。
それに対して、自分たちの名誉や功績を認められたいとも思わず、名前すら知ってもらいたいとも思わず、何の見返りも求めずに地上人類を救うことだけを願ってひたすら働きかけてくださっている大勢の高級霊たちがいることを我々は忘れてはいけないと思います。我々はこのような謙虚な高級霊たちの態度を見習わなくてはいけません。
あなたが最初にメールで書いてくださったように、ろう児(もちろん他の障害者も同じです)とその親が神の摂理、カルマの認識を理解して生きていくことが必須なのだと思います。
最後に私が最近印象に残ったシルバーバーチの言葉を引用させていただきます。
(注:下記のシルバーバーチの言葉中「大霊」とは一般にいう「神様」のことです)
何事も見かけの結果だけを見て判断してはいけません。あなた方は物的な目でしか見ることが出来ないのです。もしも霊的な目で見ることが出来れば、人間が一人の例外もなく完全に公正な扱いを受けていることがお分かりになるはずです。私は時おり人間の祈りに耳を傾けてみることがあるのですが、もしも大霊がその願いの通りにしてあげたら却って不幸になるのだが……と思うことがあります。
また私は死の関門をくぐり抜けて霊界入りした人ともよく語り合ってみることがあるのですが、こちらへ来てから地上生活を振り返ってみて大霊に抗議したいと思うような不当な扱いを受けたと文句を言った人は一人もいません。
地上界には大きく分けて三つの問題があります。一つは“無知”、もう一つは“悲しみ”、そして三つ目が“貧しさ”です。この三つは、政治に霊的知識が生かされ、人々もその知識の指し示す通りに生きるようにならないかぎり、地上からなくなることはないでしょう。
しかし、勝利へ向けての波のうねりは止まりません。古い秩序が死滅し、新しい秩序と入れ替わります。新しい世界は着実に到来しつつあります。しかし、新しい世界になったからといって暗い面が完全に消え去ると思ってはいけません。涙を流すこともあるでしょう。心を痛めることもあるでしょう。犠牲を強いられる局面も生じることでしょう。
大霊に係わった仕事は犠牲なくしては成就されません。新しいものを建てるには古いものを壊さないといけません。物的な惨事が続く時代になると人間は霊的なものの基盤を疑い、改めて吟味しはじめるものです。物的な手段がすべて失敗に終わった時、ワラをも掴む思いで、それまで試みられてきた制度を吟味し、そこに頼れるものがないことを知ります。
そこに至ってようやく霊的真理の出番となり、新しい世界の構築が始まります。大霊の摂理が正しく運用される世界です。そこへ至るまでには大きな混乱は避けられません。もっとも、いつの時代にも何の混乱も生じない世界にはなりません。なぜなら、完全に近づくとその先にもっと次元の高い完全性が存在することを知るからです。
投稿者 Dream : 2005年09月25日 20:59
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すみません。
「そしてあなたを通して大勢の高級例の導きがあるはずです。」
の「高級霊」の「霊」が、「霊魂」の「霊」のところ、「例題」の「例」になっています。
投稿者 アラム : 2007年04月01日 07:51
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
これを書いた当初、道場のニューズレターがスピリチュアリズムの標準なんだと思っていた時期でした。
しかしその後他のスピリチュアリストの方々と交流するようになって、必ずしもそうでないと思うようになりましたね。
ニューズレータは確かにいいことが書いてあるし参考になりますけど、あくまでも一つの考え方ですね。自分には当てはまらないとか、納得がいかない部分もあることに気づきました。
何でも自分で吟味してみる必要がありますね。
投稿者 Dream : 2007年04月02日 07:34