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2007年11月04日

盲ろう者についての学習会、懇談会

[ Category : 盲ろう者について ]

富山県聴覚障害者センターで行われた、盲ろう者に関する学習会、及び全国盲ろう者友の会の方をお迎えしての懇談会に参加してきた。

社会福祉法人富山県聴覚障害者協会 富山県聴覚障害者センター

これまで視覚障害者の団体の活動に参加したり、視覚障害者福祉センターに行ったことはあったが、聴覚障害者関係のところに行ったのは今回が初めて。当然お会いした方は初めての方ばかりで、なにか新鮮な感じがした。

聴覚障害者センターに到着してなかに入ると、とても静かだった。が、手話でお話をされているとのことだった。

さて、午前は盲ろう者に関する学習会が行われた。

○学習会 「盲ろう者ってしっていますか?」

第2回みんなのとみっつ講座
テーマ 「盲ろう者ってしっていますか?」
日時 11月4日(日)午前10時から12時
会場 富山県聴覚障害者センター 2階研修室
講師  全国盲ろう者協会登録通訳・介助者   M.R氏・N.K氏

ちなみにとみっつ講座というのは、富山県手話通訳問題研究会の、定例学習会のことらしい。これも初めて知った。

富山県手話通訳問題研究会

手話通訳の勉強会なので、参加者のほとんどは聴覚障害者と関わりがあり、手話のできる方が多かった。全くの初心者は私だけだったのかも…

以下、勉強したことを簡単に書いてみる。

○盲ろう者って?

盲ろう者とは、視覚と聴覚の両方に障害を持つ重複障害者ことをいう。
「聾盲者」といういい方もあるらしいが、一般的には「盲ろう者」という。

デフ・ベース
聾から盲聾になった人
ブラインド・ベース
盲から盲聾になった人

の2タイプがある。
また、その他の障害を重複して持っている人もいる。

障害を持った年齢による分類

障害を持った年齢や、目と耳どちらが先かによって分けられる。

  • 生まれたとき、または小さいときから目と耳両方に障害がある。
  • 先に目に障害があって、耳にも障害を持った。
  • 先に耳に障害があって、目にも障害を持った。
  • 事故などで、目と耳両方同時に障害を持った。

○障害のタイプによる分類

大きく4つに分けられる。

弱視難聴
見えにくくて聞こえにくい。
弱視聾
見えにくくて全く聞こえない。
盲難聴
全く見えなくて聞こえにくい。
全盲聾
全く見えず全く聞こえない。

○盲ろう者はどんなことに困っているか

  • コミュニケーションを取るのが難しく、社会参加がスムーズではない
  • 視覚と聴覚の両方に障害があるので、情報が入らない。テレビの字幕、テレビ・ラジオの音声も使えないため。
  • 移動障害があり、自由に外出することができない。

盲ろう者に話す方法は?

障害の程度・種類や、障害を受けた時期によって人によって違う。10種類ほど手段がある。

手書き文字
手のひらに、ひらがな、カタカナなどで文字を書く方法。人によっては漢字を使う人もいる。デフ・ベースの盲ろう者に有効。
指点字
両方の人差し指、中指、薬指の6本の指を点字の6点に当てはめた方法。ブラインド・ベースの盲ろう者に有効
ブリスタ
ドイツ製の速記用の小型点字タイプライターによる通訳方法。紙テープに点字が印字される。ブラインド・ベースの盲ろう者に有効。
触読手話、指文字
手のひらで手話や指文字を読み取る方法。デフ・ベースの盲ろう者に有効。
弱視手話、指文字
近視・視野狭窄・色覚など、弱視で耳が聞こえにくい方に使う。弱視の場合遠くで手話をしていてもなにをやっているかわからないので、その人に見えるところで手話通訳を行う。また、暗くなると見えないという人もいる。
音声通訳
耳元で声による通訳を行う。ある程度聴力が残っていて聞こえる盲ろう者に有効。

○盲ろう者の支援活動

  • 盲ろう者に通訳する【通訳ボランティア】
  • 盲ろう者を送り迎えする【送迎ボランティア】

等がある。

盲ろう者通訳には

  • 会話を伝える
  • 周りの状況を伝える

という2つの役割がある。
目と耳に障害があるため周りの状況がわからない。それを伝える役割。

○通訳支援者の養成

全国盲ろう者友の会では、毎年通訳者養成講座を行っている。
東京まで行かなくてはならない。富山に盲ろう者の団体ができれば、養成講座を開けるかもしれない…という話があった。

○盲聾擬似体験

そのあと、アイマスク、耳栓をして、盲ろう者擬似体験が行われた。
アイマスクをして、手話を触って読み取る。普段手話をやっている人でも触って読み取るのは難しいようで、なかなか伝わらない。

○全国盲ろう者友の会の方を迎えて

午後からは、東京から全国盲ろう者友の会の方をお迎えして、富山県聴覚障害者関係の団体の方々との懇談会が行われた。

社会福祉法人全国盲ろう者協会

全国盲ろう者友の会からは、事務局の盲ろう者の女性の方1名と、その方の通訳者2名、計3名が来られた。
盲聾の方は、元々聴覚障害の方で、そのあと網膜色素変性症で視野が狭くなったらしい。

富山県には現在、全国盲ろう者友の会に登録している盲ろう者が2名いる。
富山県には推定で117名の盲ろう者がいると思われる。
県内の盲ろう者の把握、盲ろう者の日常生活実態調査が必要。

富山県にも盲ろう者友の会のような集まりを作り、県内の盲ろう者の実態把握、通訳者養成などの活動を行っていくことが必要だということを強調され、団体作りについて議論が行われた。

そのあと、私が全国盲ろう者友の会の方と面談した。
指点字を体験させていただいた。
点字を読むのは得意なつもりだが、指点字は早いとなかなか読み取れない。ゆっくりやってもらえればなんとか読み取れる。
「初めてでそれだけ読み取れれば、練習すれば速く読めるようになりますよ」
といわれたが。

以上が学習会、懇談会のあらまし。

今回はいろいろと貴重な体験をすることができた。

投稿者 Dream : 2007年11月04日 21:57

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