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2012年11月29日

iPhoneと点字ディスプレイの繋いでみる(iOS6編)

iPhoneのVoiceOverには、点字ディスプレイに出力する機能があります。
以前ブログで、知人のiPhoneにブレイルセンスプラスを繋いで試してみたときの記事を書きました。

iPhone4Sと点字ディスプレイを接続してみる

このときのOSのバージョンは確かiOS5.1だったと思います。
iOS6になって、日本語の点字表示がそれなりに改善されたらしいという情報を入手していたので、早速試してみました。

前回のときは知人にiPhone側のすべての操作をやってもらったのでどうやって接続するのかよく分からなかったのですが、今回は自分で設定をしましたので、以下簡単にメモしておきます。

点字ディスプレイでiPhoneを使えるようにするには、最初にiPhoneと点字ディスプレイとの間でペアリングという操作を行う必要があります。
こちらでは点字ディスプレイはブレイルセンスプラスと接続してみました。
うちには対応した機種はそれしかないので。

対応点字ディスプレイの一覧は下記のページに書かれています。

Apple - Accessibility - iPhone - Supported Braille Displays

ちなみにここには書かれていないのですが、MLからの情報によると、KGS社のBMポケットでも表示できるようです。これについては近々友人のを借りて試してみる予定です。
ただし、同じKGSの点字ディスプレイであっても、他の機種には表示できないようです。
うちにはBM24とBM32があるのですが、どうやら駄目みたいです。
うーん、残念!!
同じBMプロトコルで動作するんだろうから、こっちでも表示できるようにしてほしいです。

とりあえず、最初ペアリングを行わなければいけません。
以下、メモがてら、ペアリングの操作手順を書いておきます。

(2013年8月13日追記)

以前ここに掲載した手順は一部間違っていたことが判明しました。
混乱させてしまい大変申し訳ありませんでした。
下記の手順は訂正しております。

まず、ブレイルセンスの方で、バックスペースキーを押しながら、3・4・5・6の点(数符の記号)を押して、「bluetooth オン」という表示に切り替えて、ブルートゥースを使えるようにします。

次に、F1キーを押してメインメニューを開き、【ユーティリティ】 → 【スクリーンリーダーターミナル】 → 【bluetooth】と進みます。
すると【ターミナル モード】と点字で表示されます。
以上でブレイルセンス側の準備ができました。

次に、iPhone側の設定をしなければならないのですが、ここは画面を見るか、音声を聞いて操作するしかないと思います。

ホームボタンを押して、ホーム画面を開きます。

【設定】 → 【一般】 → 【アクセシビリティ】 → 【VoiceOver】 → 【点字】
という順で進みます。

すると、【点字デバイスの 選択】というところに、ブルートゥースで認識した点字デバイスが表示されるはずです。

こちらではブレイルセンスプラスを使っているので、
「BrailleSensePlus ペアリングされていません」
と表示されました。

ここをダブルタップすると、パスコードの入力を求めてきます。
ここで入力を行うコードは、任意の4桁以上の数字です。
iPhone側のソフトウェアキーボードから、任意の4桁以上の数字を入力し、【ペアリング ボタン】をダブルタップします。

このとき、同時に、ブレイルセンスプラス側も、PIN コードの入力を行う状態になっています。
そこで、ブレイルセンスプラスの点字キーボードを使って、先ほどiPhoneで入力したのと同じ4桁以上の数字を入力し、最後にエンターキーを押します。

うまくいくと、iPhone側で「フォン」というような音がなって、ブレイルセンス側に点字が表示されるはずです。

このペアリング操作が、時間が短くてタイムアウトになったりして、失敗することがあります。
最悪、iPhone側にブレイルセンスプラスが表示されなくなることがあります。
表示されなくなってしまったときは、iPhoneを再起動すると表示されるようです。
iPhoneを再起動するには、ホームボタンと電源ボタンを同時に10秒ほど押し続けます。

この操作をタッチパネルでやらないといけないのと、iPhoneとブレイルセンス側両方で同じ数字を間違いなく入力しないといけないので、慣れないと難しいです。

さて、そんなわけで、接続までちょっと苦労したのですが、なんとか無事に接続できたので、実際に使ってみました。

一応、それなりに読める点字は表示されます。
iPhoneのタッチパネル上で指を滑らせていくと、「電話」、「メール」など、タッチパネル上の項目を点字で表示してくれます。
また、片手でタッチパネルを操作しながら、もう片方の手で点字を読むのは大変なので、点字ディスプレイのキーからもiPhoneの操作ができます。
下記のページに操作方法が書かれています。

iOS:VoiceOver のナビゲーション用共通点字コマンド

日本語の点字表示ですが、以前のように「設定」が「もうける さだめる」などと変な表示にならずに、ちゃんと「せってい」と表示されました。
それなりに改善されているようですね。
ただ、噂にも聞いていたとおり、点字の分かち書きなどがされません。
「ひらくにはだくるたっぷします」
というような点字表示になります。
読みにくいといえば確かに読みにくいです。
まあ、私は我慢してますけど、可能なら改善してもらえるとありがたいです。

あと、盲ろう者がまず最初にやりたいことは、メールの送受信だと思います。
点字ディスプレイ上の点字キーからの文字入力ができます。
しかし、残念ながら漢字変換ができないようです。
ひらがなだけのメールならなんとか書けます。

iPhone上のタッチパネルのキーボードを利用して文字入力も試してみました。
ただし、普通ですとテキストフィールドが開くと画面の下にスクリーンキーボードが現れますが、点字デバイスをつなぐと現れくなります。そのため、1の点と4の点と6の点とスペースキーを押してオンスクリーンキーボードを表示させる必要があります。

iOS6から漢字の詳細読み機能が追加されました。
しかし、デフォルトの設定では漢字の詳細読みが音声では読むのですが、点字ではうまく表示されません。
どうやら最初の1文字目しか詳細読みを表示していない感じがします。

こりゃ駄目だとあきらめていたのですが、詳細読みをすべて表示させる方法を教えてもらいました。
この方法についてもメモがてら書いておきます。

まず、はじめにすでにローター項目に何が登録されているかを試してみます。やり方は

親指と人差し指を1・2センチほど話して、同時に画面にタッチしてそのままにします。人差し指を12時方向に、親指は6時方向におきます。その状態から人差し指は3時方向に、親指は9時方向に回転させるように移動します。この操作をローター操作というようです。  つまみを回すような感じの操作です。
すると、登録されている項目名が読み上げられます。
指が回転できなくなったら先ほどと同じように指を画面に置き直し回転操作をして項目を読み上げさせます。とりあえず、1周して元の項目名が読み上げるまで動作を繰り返します。

しかし、点字ディスプレイを接続しているなら、点字デバイスを使ってのローター操作をしたほうが簡単ですので、そちらを説明します。  

5の点と6の点とスペースキーを同時押しすると、右回転します。
逆回転(左回転)したい場合は、2の点と3の点とスペースキーを押します。
右回転操作を押すたびに項目が読み上げられます。1周して元の項目に戻るまで操作をします。その中に、「文字」、「単語」 「行」 「句読点」などがあります。

もし、「句読点がなければ、下記の方法で追加します。

【設定】 → 【一般】 → 【アクセシビリティ】 → 【VoiceOver】 → 】ローター】
と進んでいきます。
ここにはたくさんの項目があると思います。使用する項目を選択しダブルタップするという操作をします。
ここでは「句読点」を追加したいので「句読点」のところでダブルタップします。
これでローター操作の中に「句読点」という項目が追加されたことになります。

今度はこのローター項目の使い方です。
先ほど例に挙げました項目、「文字」「単語」「行」「句読点」などはテキストの読み上げ方をコントロールするもののようです。
「文字」「単語」「行」のいずれかの項目をローター操作で選択すると、文字列表示の際、「上方向フリック」や「した方向フリック」で次、あるいは前の文字単位、単語単位、行単位で読ませることができるのです。
また、「句読点」の項目を選択してダブルタップすると、上下のフリックで、「すべての句読点」、「一部の句読点」、「句読点なし」の中から選択してダブルタップして切り替えることができます。読み上げ方をコントロールすることになるようです。
この上・下フリック操作の点字キーでのコマンドは3の点とスペース または 6の点とスペースです。

さて、前置きが長くなりました。
この中から「句読点なし」を選択すればいいのです。

5-6+スペース→ 句読点 → 6+スペース → 「句読点なし」の ダブルタップ

という操作をします。

何故ローター操作についてくどくど書いたかというと、実は私ローター操作のやり方が全然分からなかったからです。そこでここにメモしておきました。

現時点ではあまり盲ろう者にお勧めできないという感じなのですが、それでも点字が不十分なところを我慢すれば、ホームページを閲覧したり、標準で搭載されている天気アプリを利用して現在地点の天気を確認したりできています。
iPhoneにはGPS機能が内蔵されているので、現在地点を認識して、
現在いる場所の天気予報を表示してくれるのです。

また、携帯電話に配信される緊急地震速報(エリアメール)にも対応しているので、そういった情報も点字で読めるかもしれません。
といっても、今のところまだそういう情報は受け取っていないので、実際に読めるかどうかまでは確認していないんですけどね。

いくらか視力や聴力が残っている方で、点字を補助的に使いたいという人にはそれなりに便利なのではないかと思います。

今後点字表示が改良されて、盲ろう者が実用的に使えるようになってくれたらいいですね。

というか、点字表示が改良されれば、いろんな可能性があると感じているので、是非期待したいです。

投稿者 Dream : 2012年11月29日 19:42

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